yukaina_gorilla’s diary

ごりらぼくし(大麻ルーテル教会/北見聖ペテロ・ルーテル教会)です。聖書や教会のこと、社会のこと、ペットのことなど書いていきますね。

再掲 ペットの葬儀 (理論と実践)

ペットの「葬儀」について

 

☆牧会/司牧的視点

 ペットは、家族同然であって、その離別は大きな悲しみを伴う(ペットロスなどから重大な病に至ることもある)。ペットの死の現実を受け止めるため、また、慰めを得るため、グリーフワークのためにも、牧会/司牧上、必要なかかわりであろう。

 ペット霊園やペット火葬場では、仏教式での儀礼がなされる場合が多い。それならば、信徒の家庭のペットの死に際しては、牧師が出向いてキリスト教式の祈りをしたほうがよいのではないか?

 

☆神学的視点

 キリストの贖罪が必要なのは人間のみであり、動物は、罪を犯さない。しかし、人間の堕罪のせいで、被造物も苦しみを負っている。「被造物も、いつか滅びへの隷属から解放されて、神の子供たちの栄光に輝く自由にあずかれるからです。被造物がすべて今日まで、共にうめき、共に産みの苦しみを味わっていることを、わたしたちは知っています。」(ローマ8:21,22)。しかし、主の日には、全被造物の和解が約束されている(イザヤ11:6~9)。

 ペットの葬儀を行うことで、すべてのいのちに生死があること、そのいのちを支配なさるのは主なる神であること、人間にはキリストの救いが必要なこと、キリストによって私たちは新たないのちが与えられること、終わりの日には天と地の全てが新しくされて、全被造物に真の平和が与えられることなどを、聖書の言葉を通して分かち合うことは、「御言葉を宣べ伝えなさい。折が良くても悪くても励みなさい」(テモテ二4:2)と勧める聖書の精神にもふさわしいことではないか?

 

ペットの死に際して(「葬儀」式文)(私案)

 

さんびか (ここでさんびかが歌われてもよい)

 

み名による祝福

父と子と聖霊のみ名によって

 アーメン

 

詩 編 148より(他の適切な詩編を用いてもよい)

  主は命じられ、すべてのものは創造された。

    主はそれらを世々限りなく立て、越ええない掟を与えられた。

  地において、

      主を讃美せよ。

  海に住む竜よ、深淵よ、火よ、雹よ。雪よ、霧よ。

  み言葉を成しとげる嵐よ。山々よ、すべての丘よ。

 実を結ぶ木よ、杉の林よ。野の獣よ、すべての家畜よ。地を這うものよ、翼ある鳥よ。

  地上の王よ、諸国の民よ。君主よ、地上の支配者よ。

 若者よ、おとめよ。老人よ、幼な子よ。

      主のみ名を讃美せよ。

  主のみ名はひとり高く、

      威光は天地に満ちている。

 父、み子、聖霊にみさかえ

   はじめも 今も 永遠に 限りなく アーメン

 

キリエ

 主よ、あわれんでください。

   主よ、あわれんでください。

 キリストよ、あわれんでください。

   キリストよ、あわれんでください。

 主よ、あわれんでください。

   主よ、あわれんでください。

 

特別の祈り

 主なる神さま。あなたは天と地と そこに住むすべてのものの命を創られました。そして、すべて命あるものはやがてこの地上を去りゆき、あなたの御手に帰ります。今、私たちはこの地上での歩みを終えた○○ちゃんと この世での別れのときを過ごしています。あなたが私たちに○○ちゃんとの地上での出会いと交わりの日々を与えてくださったことを感謝いたします。どうか私たちが ○○ちゃんをあなたの御手に委ね、私たちもまたこの地上の生涯を終えて旅立つ日まであなたへの信頼の中を過ごすことができるように助けてください。悲しみの中にある私たちをあなたが慰めてください。私たちの友、救い主イエス・キリストによって祈ります。

  アーメン

 

聖 書 (以下の聖書、または他の適切な個所が朗読される。)

エッサイの株からひとつの芽が萌えいで/その根からひとつの若枝が育ち、その上に主の霊がとどまる。知恵と識別の霊/思慮と勇気の霊/主を知り、畏れ敬う霊。彼は主を畏れ敬う霊に満たされる。目に見えるところによって裁きを行わず/耳にするところによって弁護することはない。弱い人のために正当な裁きを行い/この地の貧しい人を公平に弁護する。その口の鞭をもって地を打ち/唇の勢いをもって逆らう者を死に至らせる。正義をその腰の帯とし/真実をその身に帯びる。狼は小羊と共に宿り/豹は子山羊と共に伏す。子牛は若獅子と共に育ち/小さい子供がそれらを導く。牛も熊も共に草をはみ/その子らは共に伏し/獅子も牛もひとしく干し草を食らう。乳飲み子は毒蛇の穴に戯れ/幼子は蝮の巣に手を入れる。わたしの聖なる山においては/何ものも害を加えず、滅ぼすこともない。水が海を覆っているように/大地は主を知る知識で満たされる。その日が来れば/エッサイの根は/すべての民の旗印として立てられ/国々はそれを求めて集う。そのとどまるところは栄光に輝く。(イザヤ11:1-10)

現在の苦しみは、将来わたしたちに現されるはずの栄光に比べると、取るに足りないとわたしは思います。被造物は、神の子たちの現れるのを切に待ち望んでいます。被造物は虚無に服していますが、それは、自分の意志によるものではなく、服従させた方の意志によるものであり、同時に希望も持っています。つまり、被造物も、いつか滅びへの隷属から解放されて、神の子供たちの栄光に輝く自由にあずかれるからです。被造物がすべて今日まで、共にうめき、共に産みの苦しみを味わっていることを、わたしたちは知っています。被造物だけでなく、“霊”の初穂をいただいているわたしたちも、神の子とされること、つまり、体の贖われることを、心の中でうめきながら待ち望んでいます。わたしたちは、このような希望によって救われているのです。見えるものに対する希望は希望ではありません。現に見ているものをだれがなお望むでしょうか。わたしたちは、目に見えないものを望んでいるなら、忍耐して待ち望むのです。(ローマ8:17-25)

 

説教/メッセージ

(すべての命は創造者である神の御手にあること、神は私たちを慰めてくださるお方であること、人間の罪とキリストの救いと永遠のいのちのこと、被造物すべてが御子による世の贖いを待ち望んでいること、新しい世界の平和等について分かち合う。)

 

祈 り

 主なる神さま。いま、私たちは ○○ちゃんの亡骸を火/土にゆだねます。すべての創られし者のからだは朽ちゆきますが、そのいのちは、あなたの御手のうちに、天の御国での憩いを与えられることを、私たちが信じることができるように助けてください。そして、私たちがあなたへの信頼をもってこの地上の生涯を全うして、やがて、あなたの御国に旅立ち、あなたの救いが完成する日を迎えるときに、○○ちゃんと再会することができることを 希望のうちに待ち望むことができますように導いてください。どうか真の愛であるあなたが、私たちの目から涙をぬぐってください。いのちの主イエス・キリストによって。

  アーメン

 

主の祈り

  天の父よ

  み名が聖とされますように。

  み国が来ますように。

  みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。

  わたしたちの日ごとの糧を今日も お与えください。

  わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。

  わたしたちを誘惑におちいらせず、

  悪からお救いください。

  国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。

  アーメン

 

祝 福

 全能の神の祝福と慰めが あなたがたとともにあるように。父と子と聖霊のみ名によって。

  アーメン

 

さんびか (ここでさんびかが歌われてもよい)

 

*この祈りの後、ペットの亡骸を火葬/埋葬等する。